国民病ともいわれる「歯周病」について知識を深めて予防につなげましょう
若い方は「歯周病」と聞くと、ある程度年をとってから罹患する病気というイメージがあるかもしれません。しかし最近では、10代や20代の方にも歯石の付着や歯ぐきの腫れ、歯ぐきからの出血などの症状が見られ、軽度の歯周病にかかっている方がいらっしゃいます。生活習慣病のひとつとも考えられている歯周病について知識を深めて、予防や早期発見・早期治療につなげてください。
歯周病は歯を失う原因の第1位です
歯を失う原因はさまざまですが、歯を失う原因の第1位が歯周病ということをご存じでしょうか? 歯周病は国民病ともいわれ、日本の成人の約8割が歯周病予備軍または歯周病にすでにかかっていると考えられています。ごく初期の段階では自覚症状がない歯周病。そのため、知らないうちに進行してしまうのです。
歯周病とは?
歯周病の直接の原因は歯周病菌です。歯垢(プラーク)に潜む歯周病菌が歯ぐきや歯を支える顎の骨などの歯周組織を破壊する感染症です。歯ぐきの「腫れ・出血」に始まり、悪化するにつれて歯の支えが脆くなっていくので歯がグラつき、やがては抜けてしまうことにつながるのです。
歯周病の段階は大きく4つに分けられます。
第1段階 |
歯肉炎 | 歯ぐきが炎症を起こします | |
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第2段階 |
軽度歯周炎 | 歯をみがくたびに出血が見られます | |
第3段階 |
中等度歯周炎 | 歯ぐきが赤紫色になり膿がでるようになります | |
第4段階 | 重度歯周炎 | 歯ぐきが下がり、歯のグラつきが大きくなり、 歯が抜け落ちるのも時間の問題です |
歯周病のセルフチェック
あなたに次のような症状はありませんか? 当てはまる項目が多いほど歯周病が疑われます。チェックしてみてください。
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする
- 歯みがきとのき、歯ぐきから出血することがある
- 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすくなってきた
- 口臭がきつくなってきた
- 硬い物を咬むと歯が痛む
- 歯ぐきが腫れている
- 歯ぐきから出血する
- 歯ぐきから膿が出る
- 歯ぐきがムズムズする
- 歯がグラグラする
- 歯ぐきが下がって歯が長くなったように見える
- 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなってきた
歯周病の進行段階とおもな処置・治療法
歯肉炎・軽度歯周炎
歯ぐきに軽い炎症を起こしている「歯肉炎」、または歯を支える顎の骨にも炎症がおよんでいる軽度「歯周炎」の疑いがあります。歯と歯ぐきの溝が少し深くなり始めています。歯みがきのときに出血することがありますが、痛みなどの症状はまだありません。
おもな処置・治療法
歯みがき指導 | スケーリング |
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歯周病の治療や予防には毎日の歯みがきが欠かせません。患者さまのお口に合わせた適切な歯みがきの仕方をアドバイスします。 | 歯垢が石灰化して歯石になってしまうと歯みがきでは落とせません。この歯石を「スケーラー」という器具で除去します。 |
中等度歯周炎
歯を支える顎の骨への炎症が進み、歯ぐきの腫れや歯ぐきからの出血が見られます。歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)もかなり深くなり、歯がグラつき、口臭もきつくなっていきます。
おもな治療法
ルートプレーニング |
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歯周ポケットの奥深くにこびりついた歯垢や歯石を「キュレット」という専用の器具で除去します。仕上げに歯の表面をなめらかにみがき、汚れの再付着を防ぎます。局所麻酔をして痛みを感じないようにしてから行いますのでご安心ください。 |
重度歯周病
歯を支える顎の骨の大部分が溶かされた状態です。強い口臭があり、歯が大きくグラつき、放置すると歯が抜け落ちてしまうことがあります。
おもな治療法
フラップ手術 |
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局所麻酔をしてから歯肉を切開し、歯を露出させてから歯垢や歯石を取り除きます。感染した組織も除去して、歯肉を縫合します。 |
失ってしまった歯を補うには?
第4段階まで歯周病を悪化させてしまうと抜歯を余儀なくされることがあります。歯を失ったままにしておくと、となりの歯や咬み合っていた歯が倒れ込んだり、伸びたりします。また歯を支えていた顎の骨が痩せてしまうことも手伝い、咬み合わせや歯列を乱し、お口全体の健康に悪影響を与えてしまうことがあるのです。
そうならないようにするためには、歯を失ったらできるだけ早く補うことが大切です。その治療法はおもに3つで、よく知られている入れ歯治療、となりの歯を支台にして連結した歯を装着するブリッジ治療、人工歯根を埋め込んで歯の機能を補うインプラント治療があります。あなたに合った治療方法を選ぶことが大切ですので、お早めに秋葉原の歯医者、ミカミデンタルクリニックにご相談ください。
お口の健康のためには「予防」が有効です
歯周病はそのメカニズムがわかっているため適切なケアで予防ができる病気です。歯周病にかかってしまってからの「治療」より、未然に防ぐ「予防」がお口の健康のためには効果があります。まずは「予防」の意識を持つことが大切です。